マイクロスコープとは、患部を肉眼で見える5〜20倍に拡大する手術用顕微鏡です。従来の歯科治療では、肉眼で見えない部分の治療は歯科医師の感覚や経験に頼らざるを得ませんでした。マイクロスコープの登場によって、これまで肉眼では確認しにくかった狭く暗いお口の中をしっかり把握することが可能になり、正確かつ安全な治療が実現しています。
マイクロスコープの利用により、肉眼ではよく見えなかった患部も大きく明るく見え、正確に捉えられるようになります。歯科医師の勘に頼った治療ではなく、確実で安全な治療が実現します。
治療範囲を必要最小限に抑えられますので、患者さんにかかる身体的負担（痛みや腫れ）も小さいものとなります。傷口も小さくなりますので、早い治癒が期待できます。また、見落としのない治療によって病気の再発防止が期待でき、時間的負担（治療回数）・経済的負担（治療費）なども抑えられます。
患部が確認できないために難しいとされていた症例も、マイクロスコープの活用によって正確な診断ができ、治療可能性が大きく広がります。また、肉眼で見えなかったために起こりがちな再治療のリスクも小さくなります。
肉眼で口腔内の細部まで確認することは、歯科医師の目や身体にとって負担となっていました。マイクロスコープを使えば楽な姿勢で無理なく患部を確認でき、歯科医師が最適な状態で治療に臨めるようになり、治療精度の向上につながります。
マイクロスコープの見え方について
マイクロスコープを使うとここまで拡大することが一目瞭然です。
マイクロスコープはさまざまな症例や治療シーンで活躍します。当院では、次のような治療でマイクロスコープを活用しています。
むし歯治療
最大20倍に拡大できるということは、1mmのむし歯に冒された部分が20mmに拡大されるということです。このことから、無駄に大きく歯を削ったり、削り残しがあったりといった治療上の問題が解決されます。また、神経など周辺組織を傷つけることのない、安全な治療が可能となっています。
根管治療
深いむし歯を治療する根管治療では、特にマイクロスコープが活躍します。患部を明るく照らしながら拡大できるため、暗くて深い根管内をしっかり把握することができます。そのため、むし歯に汚染された部分をしっかり取り除き、再発の少ない根管治療が実現しています。
